日本以外の国ではどのように考えられているかは分かりませんが、日本では転売と聞くとあまり良いイメージを持つ人は多くはないかもしれません。
その背景には、限定商品を買い占めたり、有名人の私物を無断で転売したり、盗品を転売したりして稼いでいるといったニュースを時々聞くために、悪いイメージが付いてしまっているのかと思います。
しかし、転売は商売と何ら変わりはなく、安く買い付けて高く売って利益を出すという事に差は何もありません。最近ではネットを使って転売を行ったり、若い人でも気軽に始められると人気も出てきています。
注意しなければならない点もあり、全員が成功するわけではありませんが、工夫をしていけば成功する可能性も秘めています。
そこで、今回は、転売は儲かるのかどうかといった素朴な疑問から、転売で成功している人と失敗する人の違い、転売のコツなどを紹介していきます。
目次
転売の基礎知識
あまり転売を本格的にしている人の話は聞いたことがないかもしれません。不要になった私物や、もらった物を転売してお小遣い稼ぎするということはよくあるかと思います。
継続して転売をしていたり、本業として転売をしている人はどのような感じで行っているのかは気になる所です。
副業、本業どちらにしても転売を本格的にしていくには、先ず道具が必要になってきます。道具は転売において欠かせない武器となってきます。
もちろん、良い道具を持っていても使いこなせなければ単なる宝の持ち腐れになってしまうので、自分に合った道具を用意することも大切です。
スマホとパソコン
まず最初に必要な道具として、スマホやパソコンがあります。転売はネットを使って行う方が簡単で、実際にお店を構える必要もないため費用も掛かりません。そのお店の代わりがスマホやパソコンになります。
当然インターネットに接続できるものに限りますが、中古でも性能の良い物は探すとあるので最初は無理せずにこういった物を活用すると良いでしょう。
ネットで商品を売買するだけでなく、様々なデータを取ったり、調べごとに使ったりと何でも利用できますが、出来れば私用と使い分けた方が良いかもしれません。
アプリやソフト
転売を独学で行うことも可能ですが、転売専用のアプリやソフト、または活用できる物もたくさんあります。どれが良いかというのは一概には言えないので、無料版などを使ってみてから検討していくのが良いでしょう。
有料版でも良し悪しはかなりあるので、口コミや情報をなるべく多く得てから使用するか否かを決めるよう気を付けましょう。例えば有名なものとしては以下のものが挙げられます。
せどりすと、せどらー
無料版と有料版があり、本格的に転売をしている人ほど有料版を使用している傾向にありますが、無料版でも活用していくことは可能です。
商品のバーコードを読み取って、値段や商品の情報を調べたり、価格の変動や、ジャンルごとの商品を一覧表示したりと様々な機能が備わっています。
エクセル
エクセルは、データの管理から、関数計算まで万能なソフトだと言えます。商品の情報、在庫管理、売上の管理など特に数字に関するデータはエクセルを積極的に活用するべきです。
検索機能や並べ替え機能などもあるので、欲しいデータを瞬時に得ることも出来ます。関数も基本的な計算は誰でも覚えることが出来ますが、慣れてきたら様々な関数を使いこなせるとさらに効率良く管理できます。
MacPCや一部のパソコンでは、エクセルがダウンロードされていませんが、互換性のある無料ソフトもあるので、それらを使えば問題ありません。
メモ帳
外出した際や、何気ない時に、転売で役立つ情報が転がっている場合も多くあります。メモ帳はシンプルなソフトですが、非常に活躍してくれる有能なものです。
手軽に作成できるので、こまめにメモをしていく癖をつけておきましょう。パソコンであれば、大切な情報などをトップ画面に張り付けておいたりも可能です。
メルカリ、Amazon、楽天市場
メルカリ、Amazon、楽天市場は、若い人であればほとんどの人がいずれか1度は利用したことのあるネットショップではないでしょうか。
日用品から趣味の物まで、ありとあらゆる商品が購入できる便利なショップとして利用者も多くいます。また、Amazonは世界的でショップを展開している大企業です。
メルカリは国内のフリマアプリでは最大の利用者数を誇り、毎日膨大な商品が売買されています。若い人が非常に多いので、商品によって人気の物は変わってきます。
楽天市場も楽天が運営をしており、ポイントや他の事業でも拡大を続けている大企業です。
販売者としての利用
これらのショップは、購入するだけでなく、販売者として商品を出品することも可能です。利用するには登録料や手数料が必要になるので、それぞれ確認が必要です。
ショップによってそれぞれ特徴があるので、取り扱う商品のジャンルによって使い分けると良いでしょう。また、この後詳しく説明しますが海外での転売というのも選択肢としてあります。
成功している人と失敗している人の違い
商売で成功する人、失敗してしまう人には様々な要因があるとは思いますが、共通している点もあったりします。時代のタイミングや場所、方法によっても大きく左右される部分もありますが、いくつか紹介していきます。
成功する人の特徴
成功する人の特徴としては、計画性、情報管理、アンテナ、判断力、対応力がある人ではないでしょうか。もちろん最初から全て揃っている人はいませんし、経験をしていくうちに身につけていくことも多いので心配は必要ありません。
しかし継続して続けていくにはこれらは確実に必要になるので、焦らずに1つずつこなして行きましょう。
計画性
計画性は転売を始めていく時にはもちろん、定期的に計画を立てていかなければなりません。成功する人は、やはり正確なビジョンや実現するための計画を持っている人が多いと感じます。
明確な目標や達成するための期間を定めることで、モチベーションを保ったり、内容の見直しのきっかけにもなります。
単に「お金持ちになりたい。」というのも悪くはありませんが、「5年後に年収800万」といった方が、具体的な実現方法も浮かぶと思います。
情報管理
特にネットの世界では情報というものが大切になってきます。正確な情報をしっかりと持っている人や、それを素早く活用できる人が成功できる人だと言えます。
転売では商品、お金、数字など多くの情報を管理しなければなりません。それらをこまめに記録したり、管理できないと短期間で失敗してしまうことになります。
アンテナ
「情報は生もの」と言うように、常に新しい情報を仕入れていかないとすぐに使えないものになってしまいます。日常の中でも常にアンテナを張って、情報を仕入れている人は転売でも生き残っていける確率が上がります。
また、関係のない物事でも何かしら役立てないかとアンテナを張ることも大切です。1つのことに固執しないように、柔軟な考えを持てるようにしていきましょう。
判断力
転売では商品によって、またはタイミングによっても売れないことも多々あります。そういった場合に、値下げをしたり、再出品してタイトルや説明文を変えたりと、様々な方法が考えられます。
また、取り扱うジャンルを増やしたり絞ったり、出品するショップを変えたりといった大きな選択も必要になるので、判断力は必要不可欠なポイントです。
対応力
何に対する対応力化は、状況によって変わってきますが、一番は購入者に対しての対応力かもしれません。商品を購入してくれる人がいて、初めて転売が成り立ちます。
購入者に対して、しっかりと質問や要望に対して対応できるかは、今後の転売にも大きく影響してきます。評価や口コミというのは、最近では重要な位置づけにあるので、丁寧に対応していきましょう。
失敗する人の特徴
もちろん、成功する人の特徴が全くできない人ということは言えますが、他にもポイントがいくつかあります。
最初から大規模に行う
失敗する人の多くは、最初から欲張って大規模に転売をスタートさせてしまうことがよくあります。中には問題なくできてしまう人もいるかもしれませんが、許容範囲を超えてしまい、失敗してしまう人がほとんどです。
先ずは自分で処理できる量の商品数や、対応できるジャンルで始めていき、慣れてきたら少しずつ規模を大きくしていく方法が確実に良いでしょう。
仕入や商品に関連する経費の計算
失敗する人の性格で多いのが、単に仕入れ値と売り値の差額だけを見て利益がどのくらいかと考えてしまう人です。
もちろんその考えも必要ですが、それ以外にも仕入れるために車を使用したり、商品を発送するのにも箱や文具なども必要になります。また、商品を保管するスペース代や光熱費なども考えなければなりません。
そういった全ての経費を含めて利益が出せるのかを考慮してから転売をしていかなければなりません。経費については次に紹介しますが、しっかりと確認しておきましょう。
生き残っていくためには
転売もライバルは多いため、生き残っていくためにはある程度の工夫をしながら知恵を絞っていかなければなりません。そのヒントとしていくつか紹介していきます。
経費
転売をしていく上で、経費をしっかりと計算できる必要があります。職種によって経費となる部分と、そうでない部分があります。転売の場合は、商品の仕入れや販売、情報管理のための道具などが経費となります。
按分(あんぶん)
私用と転売で共有して使っている物がある場合、按分を使って割合を出さなければなりません。例えば、スマホであれば転売としての使用が半分くらいであれば、携帯代の50%は転売の経費として計上することが出来ます。
他にも、商品を保管する部屋の家賃や、車のガソリン代なども按分で経費とすることも出来ます。税務署に納得してもらえる数字で出す必要がありますが、大まかな数字で問題ありません。
確定申告
確定申告は年に1度行われ、収入に対して追加で納税をしたり、還付金として返金してもらうために自己申告を行います。白色申告と青色申告がありますが、どちらにしても年間の損益収支や帳簿などの提出をしなければなりません。
こまめに帳簿や領収書の管理をしていれば、数字にも強くなり、全体の状況把握にも繋がるので最初は自分で行うようにしましょう。
追加徴税
単に申告漏れでも、意図的な不正を行ったとしても、追加で税金を納めなければなりません。不正か否かで税率も変わってきますが、先ずはこういったことのないように数字には特に気を付けておきましょう。
専門知識
転売で取り扱う商品のジャンルには特に専門的な知識を持つように積極的に勉強していきましょう。商品の仕入れの際に、見極める力になったり、購入希望者の問い合わせに正確に対応できなければなりません。
商品に詳しいだけでも転売においては武器になっていくので、興味を持って扱うようにしましょう。
信頼
これは、転売だけでなく全ての職種に通じるとは思いますが、他の人からの信頼を得られているかどうかが大切です。
転売であれば、商品の仕入れ先であったり、購入してくれる利用者であったり、規模が大きくなれば従業員であったりと、様々な場所で人との繋がりの大切さが必要になってきます。
信頼があれば、取引もスムーズに行き、トラブルがあっても解決しやすい環境であれば、修復もしやすいでしょう。信頼がなければ、商品を売ったり買ったりしてもらえません。
周りにどれだけ感謝しながら大切に付き合っていけるかが、継続していくためのカギとなるのかもしれません。
明確なビジョンと信念を持つ
転売は特に競争も激しく、ライバルの多い商売かもしれません。成功する人よりも失敗する人の方が多いかもしれませんが、必ず成功するチャンスは転がっているはずです。
成功して生き残っていくためには、先ず明確なビジョンを持って計画を立てて具体化していくことです。
また、スタートしてみても順調に行くことの方が少ないかもしれませんが、信念を貫き通して諦めずに地道に経験と信頼を積み重ねていくことも大切です。
商品に対する専門知識や、経費、税金に関する知識など、学ばなければならないことは多いですが、面倒くさがらずに先ずは実践しながら進んでいきましょう。