仕事の休憩に自販機で使った百数十円のお金や、コンビニでちょっとした物を買った時に使ったお金を家計簿に付けているという人はどれくらいいるでしょうか。
恐らく多くの人(特に男性)は、家計簿すら書いたことないという人も少なくないかもしれません。確かに缶コーヒー1本とか、友達に1,000円貸したとかいちいち書くのも面倒くさいと思うのが普通なのかもしれません。
しかし、意外に家計簿で現金出納帳などを付けるようになると、日々無意識に無駄遣いしていることに気づくかもしれません。実は、こういったことが出来るかどうかは、商売をする上で大切な習慣なのです。
せどりをしている人でも、細かくお金の管理をしている人と、そうでない人の差が数字でも明確に現れています。
そこで今回は、普段のお金の移動を意識して、管理する習慣を身に付ければ多くのメリットがあり、具体的にどんなことがあるのかを紹介していきます。
目次
売上管理をするメリット
せどりをする際には、しっかりと売上管理をすることが大切です。やはり数字の世界ですので、数字に敏感に反応して対応できなければなりません。
数字が見えてくることで、様々なことが見えてきます。いくつかの項目に分けてメリットを紹介していきます。
現状把握が一目で出来る
せどりで利益がいつまでたっても出せない人の特徴の1つは、自分の現状が分からないまま、せどりを行っている場合が多く見受けられます。
独自の方法や仕入れルートがあり、管理しなくても利益が出せるという人もいるかもしれません。
しかし、そのような良い状況がいつまで続くかは誰にも分かりませんし、利益が出なくなってきたときに見直す材料がなければ、すぐに改善が難しくなってしまいます。
特に、在庫状況、仕入先の情報、利益率、仕入れ値と売り値は最低限メモでも構わないので、分かりやすく記入しておくと良いでしょう。
在庫状況
は、何が売れて何が売れていないのか一覧にすることで、過剰に仕入れたり人気商品の在庫切れを未然に防ぐことも出来ます。
せっかく売れる商品があってもタイミングを逃してしまうともったいないです。
仕入先の情報
人気商品が多く置いているお店や、どのようなジャンルの商品を多く扱っているかなど確認することが出来ます。
安い商品を以前どこから仕入れたかや、人気の商品が他のお店より早く売られているお店など、仕入れる際の効率アップにつながります。
利益率
せどりにおいて、利益率が常に確認できるかどうかは大切な要素と言えます。どの商品が利益率が良いか悪いかを把握できることによって、仕入れの見直しが可能になります。
管理が出来ていないと、利益率の低い商品をいつまでも仕入れてしまいます。売れる頻度が少なくても、利益率が高い商品もあります。
なんとなく売れている商品ばかり仕入れていると、利益があまりないままで終わってしまうかもしれません。
仕入れ値と売り値
利益率と重なるところもありますが、仕入れ値と売り値もしっかりと管理する必要があります。それぞれの価格の見直しは常に気を付けなければなりません。
商品の人気が下がってきたときに、売り値を下げたりして在庫を抱えすぎないように調整も必要になってきます。利益率が高くても売れなければ意味はないので、上手く状況を判断しながら変えていくべきです。
無駄な経費がすぐに分かる
売上管理は商品だけを管理するわけではありません。月々にかかる経費や移動費、税金なども管理しなければなりません。
特に固定費は、通信費としてスマホとインターネット代がかなりかかります。個人使用も含めてプランの見直しや、必要ないものは解約することでかなりの削減につながります。
また、ネットでの仕入れは別ですが、お店に直接仕入れに行く場合は移動費がかかります。車、電車、場合によっては飛行機やホテルなど大きな仕入れの際にはどうしても移動費が多くかかってしまいます。
仕入れルートや日にちを変えるだけでも、効率良く、少しでも経費を抑えることが可能になります。
確定申告で減税対策に役立つ
確定申告の詳しい紹介は後述しますが、しっかりとお金の管理をしていると、税金の控除額の優遇が受けやすくなります。最大で数十万円の減税も可能です。
確定申告の時期にドタバタするよりも、普段からこまめに管理しておくと余裕を持って申告を終わらせることが出来ます。そうすれば、その間に次の仕入れも可能になります。
売上管理の具体的方法
売上を管理する方法はいくつかありますが、昔ながらの手書きの帳簿を付けるという方法もあります。しかし、効率良く管理をする方法としては、やはりパソコンでのデータ管理が1番良いかもしれません。
ここからは、売上管理を効率良く行うためのツールの特徴や簡単な使い方を紹介していきます。
手書きの帳簿
パソコンが苦手という方も多くいるかと思います。やはり昔ながらの手書きに慣れているという方は、これでも良いと思います。無理してパソコンを使って時間がかかるのも本末転倒かもしれません。
しかし何事も慣れですので、簡単な項目からパソコンでの管理もやってみるのも良いでしょう。始めは手書き中心で管理して、慣れたら完全にパソコンでのデータ管理へと移行すれば良いでしょう。
ただし手書きによる管理にもメリットはあります。1番の利点は、電源を入れたり、ソフトを起動するという手間がなく、すぐに書き込んだり見たりできる点です。
仕入れ先のお店でパソコンを出して、値段などチェックするのは難しいので手書きの帳簿ならすぐにカバンから出して見ることが出来ます。もちろん、スマホなどが使いこなせるのであれば、そこからチェックは出来ます。
やはり、どうしてもパソコンが使えない方や、メモ程度として手書きは活用するのがお勧めかもしれません。
エクセル
エクセルは売上管理の代表的なツールです。エクセルの素晴らしい点はやはり表計算、並べ替え、フィルター機能が使えることです。手書きよりも簡単に多くのデータを比較したり、検索したりすることが出来ます。
表計算(関数)機能
表計算機能は、あらゆる数字を計算しれくれる機能です。特定の範囲の数字を足したり引いたり、平均や最大値を求めたりなど様々な計算が可能です。少し難しい設定をすれば、特定の条件での計算や複雑な設定もすることが出来ます。
最初は難しい計算は必要ないと思うので、簡単な機能だけで済むと思います。せどりを本業としてやっていくようになれば、使えるようになった方が効率アップに繋がるかもしれません。
並べ替え機能
手書きではできない機能で、項目ごとに並べ替えが可能となっています。これを使えば、利益率の高い順や仕入れ値の安い順など、簡単に並べ替えて過去のデータと比較することが出来ます。
同じ商品でも、仕入れ先によって値段の差がある場合もあるので、そういった比較にも役立ちそうです。
フィルター機能
並べ替えと重なる部分もありますが、特定の範囲内のデータを表示したり、並べ替えたりすることが出来ます。例えば、4月に仕入れた商品の一覧を表示したり、特定の商品のみを表示したりと、効率アップには欠かせない機能です。
googleスプレッドシート
基本的な機能としては、エクセルと同じように使うことが出来ます。しかしエクセルよりも機能が優れているのは、ファイル共有ができるという点です。
エクセルはデータを保存しているパソコン上でしか、保存したデータは編集できません。USBなどデータ保存して持ち運べば、別のパソコンでも使えますが、書き換え前と後でデータが混ざってしまう可能性もあります。
また、データ保存していたパソコンやUSBデータが壊れてしまったら、使うことは出来ません。それに比べてgoogleスプレッドシートは、ファイル共有をしているので、ネット上でログインすればいつでもどこでも編集と保存が可能になります。
確定申告が10倍楽になります
1年に1度やってくる確定申告で、毎回大変な思いをしている方もいるのではないでしょうか。特に個人事業主やフリーランスなどの方は、確定申告を基本的には個人で申告するするので、自分で入力作業をしている方は苦労しているのかと思います。
せどりを始めて、ある一定額以上の売り上げが出てくれば、副業でせどりをやっている方も確定申告が必要になってきます。
しっかりと売上管理をしていれば、大きな減税につながるので、ポイントを紹介していきます。
確定申告の基礎知識
そもそも確定申告を詳しく知らない方は多いのではないでしょうか。普通に会社に勤めている方は基本的に会社が代わりに計算、納税をしているので自分で申告を行うことはありません。
しかし、副業で年間20万円以上の利益を出している方、年収が2,000万円以上の方などいくつかのケースがあるので、国税庁のホームページや、税務署で該当する方は確認する必要があります。
また、個人事業主やフリーランスなどの方は自分で年間の収入や経費などを計算して申告をしなければなりません。
収入が多い方は収入に応じて税金を納めなけれはなりませんが、経費や医療費など多くかかった場合や、多く税金を納めすぎた場合には還付金としてお金が戻って来る場合もあります。
では、確定申告が必要な方は具体的にどのように申告していけばよいのかを次に紹介していきます。
青色と白色
確定申告には2種類あります。提出用紙が青色の物と白色の物があり、それぞれで税金の控除額と提出書類が変わってきます。
青色申告
青色申告は、税金の控除額が最も大きい申告方法で、65万円もの控除が受けられます。その代わり、申告の際に提出しなければならない書類が白色に比べると多くなってしまいます。
具体的には、年間(1月1日から12月31日まで)の年間収支報告書や具体的な売上や経費の帳簿を提出しなければなりません。
また、レシートも7年間保存して、税務調査があれば提出したり説明しなければなりません。
しかし、それらを普段からしっかりと記帳していればそこまで時間もかからず申告を終えることが出来ます。
自分でやりたくない場合は、税理士の方に有料でお願いするという方法もありますが、普段から売上管理を把握するという意味でも先ずは自分で作成する方が今後の為になるかもしれません。
白色申告
白色も10万円の控除がありますが、青色と比べてかなり控除額に差があります。売り上げも少なくて、白色申告でも青色深刻と差がなければ白色で申告しても良いかもしれません。
白色申告の特徴は、提出書類が少ないという点です。青色では細かい帳簿や報告書が必要ですが、白色では簡単な年間損益の書類などで済みます。
ただし、利益がそれなりに出てきた場合も考えて青色で申告しておいた方がお得かもしれません。
経費の定義
税金対策として「経費で落とす。」とよく言われますが、経費をなるべく使わないのが一番の減税対策であることは間違いありません。
また、どこまで経費として認められるかは職業や人によって変わってきます。
例えば、せどりに必要な経費であれば、インターネットの月額料金、スマホ代、仕入れに使った交通費や車、商品を送るための箱や文房具などが代表的な経費となります。
さらに、せどりで使っている倉庫や部屋の家賃(賃貸の場合)、遠方の仕入れの際に泊まったホテル代なども経費として計上可能です。しかし按分(あんぶん)と言って、せどりで使った部分と私用で使った部分を割合で出す必要があります。
具体的に、スマホであれば個人利用がとせどりで半分くらい使用しているのであれば按分は50%になります。月々1万円であれば50%の5千円がせどりの経費になります。
始めたばかりの方は、どこまで経費として認められるかは判断が難しいかもしれません。考え方としては、税務署の人に、説明をして経費と認められれば問題ありません。
少し前に、とある知事が家族旅行で泊まったホテル代を経費としたり、絵画の購入費も経費として計上して問題になった事もありました。しかし、仕事として利用が認められれば経費になるのです。
普段から情報管理の徹底を
せどりを始めようと考えている方は、普段からお金の出入りをしっかりと把握して、メモしたりパソコンで帳簿を付ける癖をつけるようにしてみて下さい。
普段からこまめに付けていれば、多くの商品を扱い、お金の出入りが多くなってきたとしても問題なく、確定申告も楽に終わらせることが出来ます。商品、売上、経費の管理は確定申告の際に非常に大切なデータになります。
売上管理を正確に行うためには、エクセルやgoogleスプレッドシートがありますが、他にもたくさんあるので、自分が管理しやすいツールを使うようにしてください。そうすれば、せどりを効率良く楽しみながら出来ると思います。