使わなくなったゲームや本、高級バッグや洋服などをリサイクルショップへ持っていくと、査定が安くてがっかりしてしまった…そんな時は、ヤフオクやメルカリで高く売ってしまおう!
なんていう経験をした人は最近増えてきているのではないでしょうか。ヤフオクやメルカリなど、最近では自分で使わなくなった物を気軽に出品したり、落札することが出来るようになりました。
特に若い人を中心にこのようなネットオークションサイトが利用されています。しかし中には転売目的や、営利目的で商売としてやっている人もいます。
転売や営利目的での利用自体は問題ありませんが、税金や確定申告、その他の必要に応じた申請など知らないと、知らない間に課税対象として税金を取られてしまう可能性もあります。
自分が確定申告する必要があるのか、課税対象なのかなどヤフオクなどやる人はぜひ知識を身に付けておきましょう。そこで今回は、ヤフオクでの収入についてや、確定申告に絡む税金関係の仕組みやポイントを紹介していきます。
目次
ヤフオク収入も課税対象になる
ヤフオクなどで物を売ってお金を得ることに対して税金がかかるのかどうかというのは、結論から言うと所得税法により税金を払わなければなりません。
つまり、ヤフオクで物を売っている学生や主婦、副業としてやっているサラリーマンまで関係なく課税対象となるという事です。
しかし、多くの人はヤフオクでの収入に対して税金を納めていないにも関わらず、税務署から何も取り立てが来ることもありません。もちろん、税務調査が入って追加徴税を課されてしまう人もいます。これらの差が何なのか、説明できる人は少ないと思います。
課税対象にならない場合
ヤフオクなどの副収入、または本業でやっている人でも収入が課税対象にならないケースがあります。
生活用動産を売った場合
まず生活用動産とは何かというと、自分が日常で使っていた私物になります。
基本的には、物を売った場合には課税されますが、例外として「生活用動産の譲渡による所得」は譲渡所得として扱われ所得税を課さないと所得税法第9条1項9号で定められています。
そのため、自分で使っていたバックや洋服、ゲームやDVDといった物を売っても例外に当たり、課税対象外になります、しかし、生活用動産であったとしても課税対象になる物もあるので注意が必要です。
それは、1個の物が30万円を超える場合です。例えば、土地や建物、宝石や車といった高価な物がそれに当たることが多いと思います。
ただし、どこまでの物が生活用動産とするかは明確に定義されておらず、税務調査が入った際に、売った物がそれに当たるかどうかは説明して納得してもらえるかどうかになってしまいます。
私物として認められなければ、利益目的の売買とみなされて課税対象になってしまうので注意が必要です。
副収入が20万円以下の場合
普段は会社員として1つの会社に勤務しながら、空いた時間に副業としてヤフオクなどで収入を得ていた場合、年間の利益が20万円以下であれば申告の必要がありません。
つまり、営利目的でヤフオクを行っていても、副収入が年間で20万円以下であれば課税対象にはならないという事になります。
ただし、複数個所から給与所得を受け取っていたり、医療費などの控除を受ける人は20万円以下でも税申告が必要になるので注意が必要になります。
また、ヤフオク以外にも株やFXの収入があった場合、それらも含めて合計で20万円以下かどうかが境界線になります。1つ1つの副収入が20万円ではないので気を付けましょう。
主婦や学生、個人事業主の場合
主婦や学生など、仕事に就いていない人や、ヤフオクを本業としている個人事業主でも、年間事業所得の利益が38万円以下の場合は申告が必要ありません。
ただし、主婦や学生で他にもパートやアルバイトをしていれば計算は変わってくるので、個別に課税対象になるかどうかは調べる必要はあります。
課税対象になる場合
課税対象にならない例外を除けば、他は課税対象としてヤフオクの収入を申告しなければなりません。しかし、生活用動産と判断が付きにくい商品の場合もあるので、不安であれば税理士さんに判断してもらうのが安全です。
営利目的
ヤフオクなどでの課税対象になる場合は利益が目的で商品をどこかから仕入れて、仕入れ値より高い値段で販売する場合になります。
また、私物と主張しても継続的に同じような商品を購入していたり、継続的な収入がある場合は課税対象として税務署に判断される可能性が高くなります。
やはり、お小遣い稼ぎだったとしても一定以上の収入があれば、正直に申告をした方が良いと言えます。後に追加徴税を課せられてしまう方が損になってしまいます。
経費を上手に使って節税を
年間の利益が20万円以下であれば課税対象になりませんが、それなりにヤフオクを使っていると20万円は意外にも簡単に超えてしまいます。
しかし、経費を上手く使っていけば節税対策になり、利益が20万円以下として申告が必要なくなったり、住民税が安くなります。20万円を超えたとしても税額が少なく済むことが出来る可能性もあります。
経費の正しい知識を身につけるために、ポイントをまとめて紹介していきます。
経費の定義
経費というのは会社などを運営していく上で、使ったお金のことを言います。どのような業種の営業をしているかによって経費にあたるかは変わってきます。
例えば、一般的な会社員が海外に行った時の航空機代は当たり前ですが経費にはなりません。しかし、旅行関係のライターとして記事を書くのに海外へ行った場合の航空機代は必要経費として認められます。
つまり、仕事として必要であるか、売り上げに関わるお金であるか、というのが判断基準になります。税務署の税務調査がもし入った時に、説明をして納得してもらえれば経費となりますが、認められなければ経費とはなりません。
ヤフオクにおける経費とは
ヤフオクは業種としてはネットビジネスにあたります。ネットビジネスにおいて経費となる物はある程度決まっています。ただし、1つ気を付けなければならないことは按分(あんぶん)で経費を計算する項目もあるという点です。
按分は、仕事と私用を共有している物の場合、それらの割合を出して計算しなければなりません。例えば、スマホを仕事用と私用で半分ずつ使っていれば、携帯代の50%を雑所得経費として計上することが出来ます。
これらも、明確な定義や線引きはないので、説明をして納得できる割合で出さなければならないので注意が必要です。
租税公費
例えば、ヤフオクの商品を仕入れるために車を買ったり、自家用車を使用したりする人もいます。その際の、自動車税や購入費を租税公費として計上することが可能です。
ただし、違反金やオプションなどの仕事には関係のない出費は経費にはならりません。
修繕費
車の修理費や、仕事で使っている道具の修理など、原状回復のための出費は修繕費として計上可能です。ただし、原状よりも機能の良い改良をする場合は別の項目になるので、個別に計上することになります。
荷造運賃
ヤフオクでは欠かせない商品を配送する時に使う梱包道具がこれに当たります。段ボールやガムテープ、送料なども毎回発生する部分なので、しっかりと管理しておきたい項目です。
水道光熱費
自宅と兼用で使っている場合は、按分で割合を出して計上します。ヤフオク専用で部屋を借りていれば、100%計上することが可能です。事業で使った分だけ経費にするようにしましょう。
消耗品費
ボールペンや作業台など、細かな道具など多くは消耗品費になります。高額な機械や家具などの場合は、減価償却費として別に計算が必要になります。
地代家賃
事業を行うために借りた部屋や、駐車場代はこの項目になります。
新聞図書費
ネットビジネスの関連本や、セミナーに参加した場合はこの項目になります。事業に関係のない本は経費にはなりませんので、説明できる本だけを計上しましょう。
交通費
仕入や道具の買い物に使用した車のガソリン代、電車代、バス代、宿泊代などが交通費になります。バスや電車など、領収書が出ない場合は出金伝票を使って領収書の代わりとして使います。
通信費
スマホで商品を調べたり、ネットで商品を売買するにはインターネットへの接続が必要になります。それらのプロバイダー料金などが通信費となります。これも私用と按分を出して計上するようにしましょう。
確定申告を忘れずに
商品の売上管理だけでなく、経費などのデータ管理を日々帳簿に付けて確定申告に備えましょう。しっかりと帳簿を付けていれば多くの節税対策や、所得控除に繋がります。
確定申告の基礎知識
確定申告は、毎年2月中旬から約1か月間に渡って全国の税務署で行われます。申告内容は、申告を行う前の年の1年間の利益額(1月1日から12月31日まで)を提出して額に応じた税金を払ったりします。
納税しすぎた分については、3月以降に還付金としてお金がいくらか帰ってくる場合もあります。また、申告する種類によっても控除額が変わるので、なるべく控除額の大きい申告をする方が良いでしょう。
ヤフオクを副業として行っている人や、個人事業として行っている人の中で、課税対象者になった場合は確定申告書が必要になります。
申告が不要な人は大丈夫ですが、次の年以降に対象者になる可能性もあるので、知識として知っておきましょう。
確定申告の種類
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらの方法で申告をすることも可能ですが、控除額に大きな差があります。
青色申告をする場合は、税務署に事前に青色申告をしますという書類を提出しなければなりません。特に申請にお金はかかりませんので、税務署で簡単に提出可能です。
1度提出をすれば、翌年以降も青色申告として自動的に処理されるので最初だけ手間かもしれませんが、忘れずに行っておきましょう。
青色申告
青色申告は65万円の控除が受けられます。しかし、この控除を受けるためには、税務署に提出しなければならない書類が白色に比べて多くなります。
年間の損益額の表や、経費、そのほかの収入、株やFXなどの損益額まで細かい帳簿を提出します。そのため、普段から領収書やデータの管理をしていないと、確定申告の時期に整理するだけでも非常に時間がかかってしまいます。
税理士さんや、会計ソフトを使って負担を減らす方法もありますが、売り上げがあまりない人は、初めは自力で帳簿を付ける習慣にした方が良いでしょう。
自力で処理できないほどデータ管理が多くなってきたり、売り上げが大きくなった場合は、税理士さんを積極的に活用して効率アップをした方が良いでしょう。
白色申告
基本的なことは青色と変わりませんが控除額に大きな違いがあります。青色は65万円控除してもらえるのに対して、白色は10万円の控除しかありません。
しかし、青色に比べて白色は年間損益額などの簡単なまとめの書類を提出すれば申告が完了します。白色は、控除が少ない代わりに簡単な手続きで良いですよという申告になります。
どちらでも所得税が変わらないのであれば白色でも大丈夫ですが、来年度以降に青色になる可能性があるので、できれば最初から額に関わらず青色で慣れておいた方が良いでしょう。
確定申告の作成方法
確定申告をする方法はいくつかあり、ヤフオクの売り上げによっても変わってくると思います。
利益も少なく、最初の頃では自分で売上管理や経費の計算をして行くのが良いでしょう。確定申告では、会場に無料の税理士さんがいるので、一緒に相談しながら不安な部分を見てもらったりできます。
職員もいるので、入力なども心配いりませんので可能な限り慣れておきましょう。
また、売り上げも伸びてきて、管理が大変になってきた場合は有料で税理士さんを雇ってお手伝いしていただく方が良いでしょう。
ただし、税理士さんによってはネットビジネスが得意な人とそうでない人がいるので、何人かの税理士さんと相談して、自分に合った人を見つけるよう注意しましょう。
完成した申請書類は、郵送で税務署に送るか、申告会場に持参するか、e-Taxでオンライン上で申請を完了させるかの方法があります。
ネットに強い人であれば、ネット上での申請をお勧めします。会場では毎日多くの人が申請に訪れるので、完了までに数時間かかることも多いので、時間を有効にするためにも自宅で済ませてしまいましょう。
数字に強くなって利益UP
ヤフオクをやれば、自然と商品の仕入れや販売で数字を扱うことも増えてきます。また、普段から経費を意識して領収書を管理していれば、数字を意識するようになります。
確定申告では、正確な数字を求められるので、数字に適当ではいけません。判断や難しい計算はプロの税理士さんに手伝ってもらうのが良いですが、なるべく自力で判断できるよう普段から鍛えた方が良いでしょう。
特に、経費の判断や管理の仕方には注意して帳簿に付けるようにして、税に対する知識を身につけましょう。