チケット転売は違法なのか?違法した場合の処分を解説します

6月14日に新たに施工された「特定興業入場券の不正転売禁止等による興業入場券の適正な流通の確保に関する法律」という、とても長いタイトルの法律があります。

略して

「チケット不正転売禁止法」

と言われていますが、実際にこの法律に引っかかる人がいるのでしょうか?

アイドルやアスリートのチケットは元より、来年2020年に東京オリンピックが開催されることで、儲かると思われているダフ屋行為に踏み込んでいく人は少なくないと思います。

とはいえ、もし気付かずにダフ屋行為を行い摘発されてしまったら、せっかく稼いでも元も子もないですよね。そういうときのためにチケット流通センターのようなチケットフリマサイトがあるので、適切に利用したいものです。

そこで今日は「チケット不正転売禁止法」との付き合い方と対策についてお話したいと思います。

目次

そもそもわかりにくい違法かどうかの境目

「チケット転売は違法」と声を大にして言う人が増えており、いや、実際違法なのですが、現実的には違法になりきっていない感じがあります。

なぜかといえば、チケット転売で稼いでいる人が水面下に多すぎて取り締まりきれていないのと、残念ながら後押ししてしまっているチケット転売センターのようなサイトがまだまだあるからです。

いつもオススメしているチケット転売センターですが、本来であれば違法チケットを扱わないで欲しいと思う反面、違法かどうか判断することができないので放置状態にあるといっても過言ではありません。

そこで、チケット転売センターで違法かそうでないかをどうしたら摘発するのか?または、摘発された実例があるかについてご紹介いたします。

高額転売の摘発事例①~嵐~

2016年のことです。「嵐」のライブチケットを1.5倍という高額で転売したとして逮捕された女性がいます。

1枚や2枚なら気づかれなかったかもしれませんが、ライブチケットを5枚も転売したものですから、利益目的と断定されて通報されても仕方ないですよね。でも、摘発された理由は「古物商免許」がなかったからという理由のようです。

商品を利益目的で仕入れて転売するのに、転売する免許がなければどんな商品でも転売する許可はおりませんが、チケット転売においては全く別物だと思えます。

そもそもの話、チケットを利益目的で転売すること自体が法律違反なのですからね。

高額転売の摘発事例②~EXILE~

2017年にEXILEのライブチケットを転売目的で大量購入し、ライブ当日に不正に受け渡しをしていた人たちを逮捕されたとのことです。一体どれだけ大量に販売したのかまではわかりませんが、先程お話した嵐のライブチケットの案件の方が、まだ節度を守っていると感じます。

「自分が良い席で見たかったから大量購入した」
「だからチケットが余ったので売っていた」

と供述したようです。

しかし、誰がどうみてもそこで利益が発生してしまっているとしたら、その時点でダフ屋行為です。そのため、こちらの方は「都迷惑行為防止条例違反」で逮捕されたようです。

もしかしたら、リアルに会場で売ったりせずに、事前にチケット流通センターのような場所で売っていれば、気づかれなかったかもしれませんね。

しかし、実はもっと深刻な問題となっております。

定価を超える価格で「業」として転売することを禁止

「チケット不正転売禁止法」は、あくまでも利益を得るために「業」として「反復して」販売することを禁止されています。そして、定価を超えてはダメなので、通常の転売のように、利益を得るために販売するのは根本的にアウトという結論になります。

しかし、チケット流通センターをはじめとして、チケットのフリマサイトでは、定価を超えるチケットはたくさん出回っていますが、摘発された事例はとても少ないです。もちろん電子チケットも含まれるのですが、それらも摘発された事例はまだまだ少ないです。

チケット流通センターでのチケット販売点数を見ても、ニュースに上がるようなものが数え切れないほど横行しているはずなのに、それでも売られ続けているのには何か理由があると思っています。

グレーラインとわかればチケットは売れるのか?

結論としては「売って良いわけではないけど、勝手に取り引きが成立してしまっている」というところです。

チケット流通センターでは、当然のようにダフ屋行為や法律違反を取り締まるという取り決めがされていますが、監視の目を掻い潜って販売している人があまりにも多いです。

そのため、取り締まろうにも取り締まれないというのが現実です。

であればどうするかというところですが、現状では

「黙って見過ごす」

しかないと思われます。

なぜなら、どんなに頑張って摘発しようとしても、摘発するための情報が不足しすぎています。例えば、

  • 運営がチケットの適正価格をいちいち調べてられない
  • チケット転売をしている人が実在しない場合がある
  • 実際に取り締まるべきシーンがあっても取り締まれない

というものです。

いくら利益無視でチケット流通センターを利用しようとしている人がいたとしても、むしろ利益を得ようと画策している人が多い中では、簡単に埋もれてしまうということです。しかも最悪の場合、知識のない人がチケットを転売してしまうこともありえます。

法律の内容を全く知らずに「チケットを定価ではなく,手数料くらい欲しいな」という考えがあると、うっかりすると摘発されてしまう可能性もゼロではありません。

リスク度外視でやる意義があるのかどうかを検証

利益度外視でやるのは、ビジネス視点では間違いなくありえません。

ビジネスは利益を得るためにビジネスをするのですから、本来であれば利益が出ないし法に触れるのであれば、その時点でやめるべきです。

先程お話しましたが、いつまで経ってもなくならないわけですから、その理由を考えればすぐにわかりますよね。なので、

チケットを買うために掛かった手数料は欲しい=利益と断定

と、されてしまわないように気をつけるべきなのです。

これを知らないというだけで法に触れます。

しかし、チケットを買うときには少なからず注意書きがされていますので、知らないでは済まされないのです。

では、チケットを販売している人を取り締まればチケットの不正転売はなくなるのかと言えば、そういうわけでもありません。

チケット不正転売に対する法律の弱点

それは、チケットをどうしても欲しいという人が「何倍でもいいからチケットを売ってくれ」という意思がある限りなくなりません。以前よりは不正高額転売は下火になってきてはいます。さすがに以前のように10倍20倍といった価格でチケットを転売している人がいないからです。

そこで今回のお話にも上がっている「チケット不正転売禁止法」の出番というわけです。

チケット不正転売禁止法に当てはまれば、転売で一つ一つの利益がさほど大きくない中で、摘発されてしまえば人生全てが終わります。

でも、求めている人がいる限りなくならないのが現実です。

そこで、利益率は下がっているものの存在し続けるグレーな取り引きにおいて、チケットの不正販売を行う人達の手口を少しだけご紹介します。

  • 売り手として個人情報を数え切れないほど会員登録
  • 転売目的で個人情報をいくつも使ってチケット買い占め

という内容です。

完全に組織だったやり口ですから、摘発がとても難しいようです。

企業や団体として活動しているのであれば摘発も難しくないかもしれませんが、個人的な推察としては、個人の利益目的でチケット買わせ、後から利益を上乗せして買い取る。

そうすることで、買うことに協力した個人も利益を得られるし、転売する人もさらに利益を乗せることが出来るので、お互いのwin-winが生じていると思われます。

また仮に、そうした取り引きが発覚したとして、犯罪の片棒を担いだ人たちも摘発されることになります。

もしも摘発されてしまったら

1年以下の懲役

100万円以下の罰金

またはその両方が科せられるということです。

一枚のチケットで1万円の利益を望めたとしても、100枚売らなければ、法律違反した場合の罰金に相当しません。

なので、チケット転売をすること自体が損をするという結論になります。

絶対にオススメしないビジネスモデル~チケット転売~

いろいろな側面からお話しましたが、チケット流通センターのようなフリマサイトを媒体にして、利益を得ようとして画策している人がいつまでもいなくなりません。マーケティング的な側面からすると、利益はかなり得られるようにも感じます。

集客する必要がなく、売れるとわかっている商品を販売して利益を得る。

この流れがマーケティングとしては鉄板だからです。

しかし、法律に触れないことが大前提です。

法律に触れてまで小銭を得るのは止めましょう。

ライブやコンサートを販売する運営側としては、チケットの価格が高くなりすぎてしまい、会場に来場するユーザーさんがグッズやサービスを購入しなくなってきてしまっているので困っているようです。皆、ライブやコンサートに参加するだけで精一杯という現実です。

それでは国が元気になるわけもありません。きちんと節度を持って、守るべきところは守り、踏み込んではいけないところは踏み込まないようにしましょう。

得るべきではない利益を得たとしても、将来的には負債になる可能性がとても高いです。

もしもチケット転売をしようというのであればオススメはしません。リスクが高すぎます。

それでは今日は以上となります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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